亜紀の役作りは、はるごんを参考にしたのか。
働く女性の背中押したい AKB48、渡辺麻友 「戦う!書店ガール」
ふんわりとしたワンピースを翻してやって来た。春風のようにやさしい印象をたたえながら、瞳には強い意志を宿す。向き合うと身動きができなくなりそうだ。
「脱アイドルしたいです。ずっとアイドルしてはいられない。ずっとかわいいだけでは許されないので」
いまや、国民的アイドルであるAKB48のセンターを張る渡辺だが、まっすぐ先を見据えている。次に目指すのは女優だ。
人生で初めて演技をしたのは幼稚園の年長の時。「不思議の国のアリス」をクラスで演じ、渡辺の役はオウムだった。「本当はアリス役をやりたかったんですが、じゃんけんで負けてしまって。せりふもないすごい端役だったけれど、それでも演じることが楽しかった」
おぼろげながら感じた芝居への思いは、AKB48で活動していくうちに具体化する。「踊ったり、歌ったりするなかで、表現することの楽しさ、すばらしさに気がつき、将来は女優になりたいと思うようになりました」
14日にスタートする「戦う!書店ガール」(カンテレ系)で稲森いずみとダブル主演に抜擢されたことは、夢をかなえる大きな一歩ととらえている。これまでも、深夜枠でのドラマ主演はあったが、火曜午後10時というゴールデン・プライム帯(午後7~11時)の連続ドラマでの主演は今回が初めて。自身の演技がより多くの人の目にとまることになる。
「今までの私を知っている人にも知らない人にも、渡辺麻友はこんなこともできるんだ、と発見してもらえるよう全力で演じたい」
役は、文房具メーカー会長を祖父に持つお嬢様、北村亜紀。書店員として働き、自由奔放で気が強い性格から、たたき上げの副店長、西岡理子(稲森)と衝突する。「私も働く女性の一人として、頑張っている女性の背中を押せるような作品にしていきたい」と抱負を語る一方で、亜紀については「私とは正反対のタイプ。でも、幅広い役をこなせる女優になりたいと思っているので、挑戦しがいがあります」と力を込める。
役作りは「天真爛漫ですぐに思ったことを口にする」という同期の仲川遥香(JKT48)を参考にした。さらに読書好きで本に救われた過去を持つ亜紀に近づこうと、周囲の人にお勧めの本を聞いて読書に励む。
「名だたる女優さん俳優さんに囲まれ、緊張してせりふが飛んじゃったらどうしよう」。緊張感あふれる“総選挙”を勝ち抜き、何度も大舞台でのコンサートを成功させてきた身から意外な言葉がこぼれる。「AKB48での活動は場数を踏んでいるので緊張を楽しめるようになりました。女優としては今、不安が60、楽しみが40。緊張も楽しめるようにしていきたい」
「このドラマで脱アイドル宣言したいですね。AKBもいつかは卒業しなければいけないわけですし」。改めてそう話すと、にこりとほほえんだ。
文・佐々木詩
撮影・宮崎瑞穂
わたなべ・まゆ 平成6年、埼玉県出身。18年に第3期、AKB48オーディションに合格し、現在チームBに所属。24年2月にシングル「シンクロときめき」でソロデビュー。同年11月にリリースした3rdシングル「ヒカルものたち」で、ソロとしては自身初のオリコンウイークリーチャート1位を記録した。25年6月、第5回AKB48選抜総選挙では第3位。昨年、第6回選抜総選挙で第1位を獲得した。
産経WEST
http://www.sankei.com/west/news/150412/wst1504120005-n1.html
コメント
フジサンケイグループだし、運営主導のステマ記事の可能性が否めない部分を差し引いても秀逸な記事ですね!
佐々木詩記者が、48Gやまゆゆの事をリスペクトしキッチリ理解した上での取材がなければ絶対に書けない記事だと思います。
特に書き出し部分は美しい文章で読んでいてジーンとなりました。
では。
美しさをかもしだしている
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